K-TENとTHE FIRST 2010-05-18 PM01:22
前回書いたブログの最後に出てきたヤマリアさんの『ザ・ファースト』ですが、
「てんちょ~、あのファーストってどんなルアーなん?」
って数名のお客様より聞かれましたので、少々書きたいと思います。
~このルアーのワタクシの思い出~
シーバスのルアーフィッシングがあまり普及していなかった今から約15年前(柴、高校2年生)、当時から良くしてくださってた村越正海さん(ダイワプロスタッフ)に誘われて、千葉の富津岬で行われた『第一回シーバスサミット』というお忍びイベントに参加できる機会がありました。お忍びなので、一般公募はされておらず、各メーカーのテスター、プロアングラー、雑誌でしか見たことの無い方々がほとんどの中、ペーペーの柴少年が参加できたのは奇跡としかか言い様が無いことでした(笑)
そんなプロ集団の中で行われた深夜からの大ウェーディング大会にて、ワタクシの生涯初となるランカーシーバス(98cm)とめぐり合わせてくれたのがこのザ・ファーストなのです(当時の『ルアー情報』のグラビアにもでっかく載りました)
この出来事がワタクシのシーバス人生を大きく変えてくれたと共に、沢山の貴重な出会いの機会を与えてくれましたし、その後のシーバス釣りの士気を高めてくれた出来事でした。
~余談おわり~
このザ・ファーストですが、今ではよくある「メーカーとメーカーのコラボ企画ルアー」の先駆けなんですね~
それは、タックルハウス社とマリア社(現ヤマリア)です。
その昔タブーと言われていたメーカー同士の商品の共同開発は、当時大変な話題となりました。
大体覚えているので書きますね
ウッドプラグ専門メーカーだったタックルハウス社は、現代では定番の機構である「重心移動システム」の案を思いつき、この機構をウッドプラグに取り入れることを考えました。しかし、それを実現するには莫大な費用と手間が掛かることが予想でき、「ブルーオーシャンをなんとか整形の簡単なプラスティックルアーに出来ないか」社長同士でつながりのあったヤマシタ(マリア)へ相談を持ちかけたのが始まりでした。
そして、プラグの型を共有することを条件に話が進み、現在のK-TEN BLUE OCEANが出来上がりました。
まったく同じ形ですが、違いといえば、ブルーオーシャンは『マグネット重心移動システム』、ファーストは『円筒形鉛式重心移動システム』ということだけです。
『マグネット重心移動システム』は当時タックルハウスが開発した機構なんですよこれは大きな革命でした
そんなザ・ファーストは現在制作されていませんが、K-TEN BLUE OCEANがまだまだ現役の今、その魂は生きています。現在でもストイックなベテランルアーマンに愛され続けているこのルアーですが、現在発売されているルアーの何%が10年後に生きているでしょうか?そう考えるとすごい事ですね。
おそらく今後もこの火は消えることはないと思います。
もし消えるとしたら市場、マスコミの過ちだけだと思います。
良いものは次世代にも残して生きたいと切に思います。
こんなレトロネタに興味のあるお客様は少ないかもしれませんが、もし興味がありましたら今後も書こうと思っています(笑)