物心ついた時から
重度の肥厚性鼻炎。
ニオイをほとんど知らずに
生きてきたワタクシからしてみれば、
『消臭』なんて贅沢なハナシ。
匂ったって、
少々クサかったって、
アナタ、匂えるわけでしょ?
いやいや匂いと臭いは別よ
なんて言われてみても、
ワタクシの、
『匂い』
に対する焼けつくような憧れは
変わらないわけで。
思春期前後にそれは暴発寸前となり、
憧れはいつしか
匂いそれ自体に対する憎しみに。
悲しいかな、
ワタクシの顔のど真ん中に
鎮座する役立たずのデカ鼻は
周囲に何かを想起、
期待させてしまうらしく、
結果、
ミステリアスな含み笑いを
早くから覚えたわけで。