ラインシステムの意味 2010-02-13 AM10:55
最近、多くいただくようになったお客様からのお問い合わせに『ナイロン(モノフィラメント)ライン』の話題があります。「組み方がわからない」や「見よう見まねで組んだけど投げ切れを起こしてしまう」など、多くいただきます。
そこで、長文になるかと思いますが、少々説明させてください
基本的な内容なので、『そんなもん知っとるわぃ!』という方はスルーしてください(笑)
PEラインが主流になりつつあるルアーフィッシング業界ですが、この釣りを極めて行くにつれて、ナイロンを使用し始めるお客様が大変増えてきました。特にリバーシーバスにおいては、スキルの向上と共にナイロンの有効性に気付き始める方が多いようです
ワタクシがルアーを始めた頃から7年間(今から約12年前)までは、ルアーにPEの使用は一般的ではなくナイロンが当たり前でした。
そんな当時、ソルトルアーに初めて『PEライン使用』をメディアで披露したのが『村越 正海さん』だったと記憶しています。いまでもカリスマですねそんな村越さんもナイロンの釣りを捨てたのではなく、TPOで使い分けており、お付き合いさせていただいてから何度かご一緒させていただいておりますが、やはりメインはナイロンでのルアーフィッシングでした。
また、ナイロンラインフィッシングには、ラインさばきテクニックの基本すべてが詰まっていますルアーフィッシングを始められる方は是非ナイロンから始めていただければ、上達も早まりますし、その後PEラインに移行されもスムーズに体得できると思います。魚とのやり取りでラインブレイクの心配も少ないですしね
『PEラインから始めて、上達したらナイロンに移行する』、正直、この現状にある意味、違和感を感じています(笑)
では、これからナイロンを使用される方に一番基本的な説明をさせていただきます。これが理解できていないと、釣りになりません。この『なりません』の意味は後半にて説明しますね
その内容とは・・・
『ラインシステム』です
まずはこのラインシステムの全体図です
メインラインモノフィラ10ポンド、ナイロンリーダー20ポンド使用を想定します。
この2つの組み合わせですが、原則としてメインラインの2倍以上の同素材リーダーと組み合わせなくてはなりません。
それはなぜか・・・
『ラインは縛ると約50%強度ダウンする』からです。「伸び」などの付加がありますので一概には言えませんが、ラインは縛ると強度が二分の一になると覚えておいたほうが無難だと思います、(たとえば電車結びが強度保持率が一番低いノットだとしますと50%ダウンです)
この強度劣化を補うのにラインシステムは発明されました
まずはビミニツイストという巻きつけ摩擦型技法にてメインラインをわっかにします、これをダブルラインと言います。これにより、10ポンドのラインを×2の強度である20ポンドに上げることができます。
このビミニツイストですが、上手くおこなわないとここで強度劣化を招きます
そしてメインラインの2倍強度の20ポンドショックリーダーを、10×2=20ポンドのメインダブルラインとオルブライトノットで結びます。
ここでも締めこむ際には摩擦熱対策をしっかりおこなわないと、強度劣化を招きますので注意が必要です(ハンドクリームなどで潤滑を)
そして、スナップやルアーにお好きなノットで接続してください。
お薦めは、スナップやスプリットリングでしたらクリンチノットまたはダブルクリンチノット、ルアーに直でしたらフリーノットがお薦めです。
以上の組み合わせでルアーを接続すると・・・
ルアーまでの接続強度を最低でも10ポンド確保することができます。
これがラインシステムです。
順におさらいしますね
●メインライン10ポンドをクリンチノットで2重にし、20ポンドにする。
●メインラインの2倍以上の同素材リーダーをダブルラインとオルブライトノットで接続、これによりリーダーとダブルラインの接続部分の20ポンドが、ノットにより2分の1である10ポンドに低下(メインライン強度と同強度)
●リーダーにルアー(スナップ)を結ぶ、これにより20ポンドリーダーの強度が2分の1である10ポンドに低下(メインラインと同強度)
こんな感じです、伝わりましたでしょうか
同じメインライン10ポンド使用において、ルアー直結の全体強度は『約5ポンド』
メインライン10ポンドにラインシステムを施すと全体強度は『10ポンド』
になります。
文頭で書きました『釣りになりません』の意味ですが、このラインシステムの仕組みを理解していただければ、メインライン10ポンドに対してリーダー16ポンドなどを2倍以下のラインとの組み合わせが出来ないことが分かると思います。魚との引き合いやキャストでのラインへの負担は、システムの一番弱いところにかかります。そのため、このラインシステム内での弱点を作らない為にも組み合わせを理解することが大事なんですねこれが崩れると、投げきれなどが頻発しますのでご注意を
また、12ポンドに40ポンドリーダーを接続するのも全然OKです
根ズレ対策として、ナイロンラインにフロロリーダーを組み合わせる場合もありますが、素材の違うものの組み合わせは、以上の基本的なリーダーシステムの意味と若干変わってきます。
PEラインとリーダーの組み合わせの意味もまったくの別物です。これは今度書きますね
各ノット方法などはインターネット検索で沢山見つかると思いますが、注意として、必ずメーカーHPのノット法を参考にするようにしてください。個人HPでの紹介は間違ったやり方で紹介している場合も多いですあくまでも基本に忠実に御願いします
『ノットは釣り人自身が作る唯一の釣具』です!←深いぃーー笑っ
ワタクシの好きな言葉でした