ナイロンラインのおはなし~その1~ 2010-09-10 PM02:48
と・・・ブログを書こうとPCを開いた瞬間、ワタクシのiPhoneのSMSに着信がありました
加藤クンからの爆釣メールでした
いいなぁ・・・
いいなぁ・・・・
いいなぁ・・・・おいっ
エエ天気やからさぞかしキモチイイやろなぁ涙。。。
片道10分くらいで行けるし、昼休みにでも見に行こうかなぁ~
っと、悩む柴犬です、こんにちは
さて、今日はワタクシの思うラインについてのお話をホンネで書こうと思います。
実は、ずっと前からラインのことについては書きたいと思っていたのですが、色々考える事があってなかなか書けずにいました。それが、昨日とある関東のアングラーと長時間ラインの話をつまみに酒を交わすこととなったり、古い付き合いであるモーリスの杉浦さんとラインについて共通の気持ちを持ってたことが分かり、急に書きたくなったわけでございます
興味がありましたら、しばらくお付き合いください(笑)
近年の釣りにおいてもっとも使われていると思われるライン、それはPEラインです。
そこそこベテランアングラーはもちろん、初心者の方までもがPEラインを使う時代となっています。また、どんな釣りのジャンルにおいても分け隔てなくPEライン一辺倒になっています。これは紛れも無い事実です。
この事実に関してワタクシの本音を申しますと、「かなり危ない方向にいってるのでは?」と考えています。
この「危ない方向」というのは変な意味ではなく、「昔ほど釣れなくなった理由というのは、PEラインのせいではないのか?」ということです。また、「初心者がファーストキャッチにめぐり合える確立が下がっているのもこのPEラインのせいではないのか?」ということです。
そこで・・・
岸からのルアーを用いた釣りにおいて、果たしてPEラインにどんなメリットがあるのか、ちょっと考えてみました。
~飛距離について~
まず、だれもが思うのが飛距離です。一般的にPEラインを用いたシーバス釣りでもっとも使われていると思われる太さ1号~1.5号と、一般的シーバスナイロンを12lb(3号)と比較しますと、PEラインしか使ったことの無い、また、ナイロンを使い込んでいない人こそ「PEの方が飛ぶ!」と想像するでしょう。もちろん、ルアーが超極小だということを想定しません。あくまでも一般的にシーバスにつかわれているルアーの重さ(10~25g)を想定します。
ワタクシの経験上、ナイロンの圧勝ですもちろん、PEでも0.4号や0.6号などの極細を使えばナイロン3号に勝てますが、これらは対象と考えていません
飛距離に直接関わってくるのは、ラインの太さではなくロッドの性能です、それとナイロンの「伸び」が飛距離としてプラスアルファに働いているのです。
それと、ガイドとの摩擦については書くまでもないですね(笑)
~ルアーのヒット率について~
比べるまでもありません、泳がせてみれば一目瞭然です同じルアーでもラインが違えばこうも違うのか!と驚くと思いますとくに「アクションを加える、リトリーブスピードを変える」などのテクニックを使われる方は特にナイロンが有利になります。
「アクションが格段に良くなる」すなわち「良く釣れる」に結びつきます
じつは、これについては昔ナイロンで使ってたK-TENやショアラインシャイナーを現在、PEラインで引いた時に、真っ先に気付いていたことです。
~アタリや障害物への感度~
巷では良く耳にしますよね(笑)「感度!カンド!」ってまぁ、確かにPEラインは伸びがほとんど無い為、物理上カンドは高くなります。しかし、人間の感覚というのは、物理上ではあらわせないものがあります。ナイロンでも十分に「ガツン!」と伝えてくれますし、慣れれば「潮の変わり目」や「潮目」、「二枚潮」までもが分かるようになるものですまぁ、ぶっちゃけて言えば、「物理的カンドなんていらんやん!」ってことです(笑)逆に物理的感度を極端に下げた環境では、人間側の感覚を一時的にアップさせてくれてるんですよ「視界を遮断される夜釣りではキャストの精度が上がる」のと同じ原理です。
~フッキングについて~
単純に物事を考えてしまいますと、「PEは伸びがないから、アワセのパワーを100%フックに伝えてくれるから、しっかり掛かる」と想像してしまいます。
しかしどうでしょう?本当にそうなのか?・・・その昔、このことを明確にするためにとある実験を行いました。文章では伝わりにくいかと思いますが、想像してみてください(笑)
①まずは同じロッドを2本用意します。
②1本はナイロン12lbを巻いたリールをセットします。もう1本はPE1.2号を巻いたリールをセットします。
③それぞれのラインの先に同じ号数のトレブルフックを同じノットで結びます。
④約40m先に人を立たせ、ダンボール板を持たせます。そして2本のロッドについているフックの先をダンボール板の同じ高さに軽く針先を乗せます。
⑤ロッドのティップが同じだけ軽く曲がるくらいまで糸ふけを巻き取ります。
⑥両手に持つロッドを同時にあおり、フッキング動作を行います。
⑦この一連の実験を、ロッドを左右持ち替えて、もう一度行います。
この結果を申しますと、ナイロンラインはロッドのフッキングだけでカエシまで一発で掛かります。PEはカエシまで入ることはありませんでした。しかし、PEにはPEなりのアワセ法がありますので、一概に「フッキングが悪い」とも言えませんこの結果から、ナイロンの「伸びてちぢむ力でのフッキング性能」は伊達ではないことが分かると思います。
~バラシ、やりとり~
このことのついては、だれもが想像がつくと思います
伸びのあるナイロンラインは、予想できない魚の動きにも柔軟に追従しバラシ、ラインブレイクを防いでくれます。また、ラインの伸びそのものが魚の負担となりますので、魚のスタミナを早く奪う効果により、早めのキャッチにつながります。すなわち、早めのリリースができるわけです。どんなスポーツアスリートだって、同じ重さのタイヤを引き走る場合、伸びの無いロープではそこそこ走れるのに対して、タイヤにつなぐロープをゴムチューブに変えると・・・ほとんど走れませんすぐにバテてしまいます。それと同じ原理です。要するに、「大型の魚を釣るときほど、ナイロンラインの有効性が現れる」よいうことです。もし大型魚に伸びの無いラインが合うのであれば、「カジキのトローリング」にPEが使われるはずですが、絶対的にナイロンラインなんです!
ちょっと難しくなりましてごめんなさい
間違って欲しくないのですが、「PEをただちに止めて、ナイロンを巻こう!」って話ではないです
PEにはPEの良さってものも無限大にありますし、PEが普及したからこそ産まれてくるテクニック、釣法もあります
ただ、「ラインの特性を理解せずに使うことの危なさ」を、つねに懸念しておりましたので、今回、長文になりましたが書かせていただきました
今年ブレイク中のリバーシーバス、特にトップウォーター、ビックベイトの釣りにおいては、ナイロンを使うことによりまちがいなく釣果がアップしますし、これからの秋シーバスにおいても、ナイロンを上手く活用すれば釣果が確実に伸びることを使えたかったのです
ワタクシもルアーを始めた20数年まえからこの
を使って釣りを勉強してきました。
しかし、この2つが完璧というわけではありません、皆様がお使いのロッドとの相性もありますので、合うラインを見つけることが大切となります。
ワタクシがバリバスさんのナイロンを古くから愛用しているのは、こういったナイロンの性質の違いが分かりやすいラインナップを揃えてくれているメーカーだからです。
PEは、各社様々なアイテムを発売してはいますが、どれを選んでも、明確な違いって分かりにくいとおもいませんか?「結局どれでも良いわ!」って方が一番多いような気がします(笑)
ナイロンという同じ材質なのに、これほど性格が違うラインが作り出せるのも、ナイロンならではですよね
特にワタクシの知っている限りでは、モーリスさんがもっともナイロンにこだわっているような気がします。
この秋もシーバスナイロンの新製品を発表しています
最近のラインメーカーさんの発表するルアーラインはPEばかりなのですが、もっとも進歩しているのがこのナイロンラインなんですよ「ちゃんと作ったラインのすごさ」が使えばちゃんと体感できます。PEなんてカラーパターンを変えただけ、パッケージを変えただけ、コーティングを変えただけ・・・で「新製品」なんですから(笑)まあ、逆にいうと、今のPEラインは「行き着くところまで行っているハイテクライン」ということだと思いますこれも凄いことです
どちらを使うかは、それそれの好み考えもあると思います。
今一度、ナイロンラインのすごさを体感してみるのも良いですよ