毒魚のお話し その1 2013-11-19 AM06:42
お早うございます。
いつも当店のブログをご覧下さりありがとうございます。
歳とともに涙腺が緩くなり「貧乏神が!!」完結の16巻、市子と紅葉の別離のシーンを読んで不覚にも涙ぐんでしまった明石店・岡田です。
生憎の天気ですね。
カレイも好調ですが10メートルを超える風が吹くという予報では如何ともしがたいものがありますね!
そこで以前から予告しておりました、毒魚について少しだけウンチクをば・・。
(ものすごくザックリした説明をしますのでおわかりになられる事と思います。)
毒魚にも色々ありまして、フグやソウシハギ等の食べて中毒する毒魚もいればヒレのトゲで刺す刺毒魚、粘液(ヌルですね)から毒を分泌する魚、極少数ですが咬んで毒を注入するお魚などもいますね。
さて下のお魚3種の名前はお分かりでしょうか?
大蔵海岸でよく釣れる魚と滅多に釣れない魚が混在しております。
上から「アイゴ」「ハオコゼ」「ゴンズイ」ですね。
ある程度釣りをやっている方ならおわかりになる事と思います。
「アイゴ」などは関西ではバリコと呼ばれて珍重されていますね。
バリコって尿(ユバリ)の臭いのする魚の仔という意味ですので、独特のアンモニア臭があって嫌いな人も多いのですが、私は大好きです。
一夜干にすると最高です。
「ハオコゼ」は一番刺された被害が多い魚では無いでしょうか?
結構群れでいるみたいで、こればかり釣れるって言う時がありますよね。
さて、3種ともヒレに毒針を持っているいわゆる刺毒魚です。
ゴンズイなどは死亡事故があったくらい強力な毒を持っております。
これらの魚の毒についてはあまり研究が進んでいないのか、成分等について詳しく書いた文献が小生の知る所ではありません。
成分はペプチド(独語、英語ではぺプタイド、2種類以上のアミノ酸が特殊な結合をした物質)と呼ばれる分子量の小さなタンパク質と、アレルギーと密接な関係が有るとされているヒスタミンが主体とされています。
要するに、肉体の細胞というタンパク質に異質のタンパク質が入ってくる事による拒絶反応で痛みを引き起こすのであろう・・といった程度にしか研究が進んでいないようです。
さて、毒の成分などは釣り人には関係の無い事で、刺された時にどうすれば痛みが治まるかが皆様のお知りになりたいところでは無いでしょうか?
このペプチドと言ういう物質ですが熱に対する安定性が非常に低いのです。
要するに熱を加えれば成分が変質して効力が無くなるということです。
その温度は一応60度と言われております。
要するに刺されたら60度の熱を加えてやれば痛みは引くということですね。
ただ普通の人間は60度の熱を皮膚に加えると火傷を負ってしまいます。
そこで有効なのは45~50度程度のお湯に刺された部位を漬けてやると痛みはかなりマシになります!
ただ、50度のお湯でも低温火傷の危険が有りますのでその辺りは充分に注意して下さいね。
(高温での火傷よりもある意味、低温火傷のほうが怖いのです)
さて、これは余談ですが私が学生の頃に読んだ本に、「タンパク質の刺毒魚の毒は変温動物には効果が無く、恒温動物にしか効力を持たない」と読んだ記憶があります。
最近、記憶を辿ってその本を探しているのですが残念なことに阪神淡路大震災の折に自宅と共に灰になってしまい、探し出せずにいます。
もしもあの本の内容が正確で、変温動物に効果が無いのなら他の魚やウミガメや海蛇には効果が無いということですよね?
ではいったい、何のためにそんな制限のある毒を持っているのか謎ですよね?
当時の私は「対人間用だ!」と思っておりましたが、最近は「対鳥類用では?」と考えを改めるに至りました。
それにしても著者も本の名も思い出せないあの本を今一度、読み直して見たいものです。
そうそう、先程のお湯に漬ける治療法ですが、オニオコゼなどの神経毒とタンパク毒の混合毒には効果がありません。
オニオコゼやオニダルマオコゼに刺された際はすぐに医師の治療を受けてください。
(オニダルマオコゼなどは大蔵海岸では見たことがありませんが、全魚類中ダントツ1位の強力な刺毒を持っておりますのですぐに治療を受けなければ最悪死に至ります。)
長々と書きました。(退屈な内容で申し訳ありません・・)
またフェイスブックの「いいね!」がたくさん有るようでしたら今度はまた違う毒について書きたいと思います。
最後に、寒さが本格化してきました。
風邪等に気をつけて釣りを楽しんでくださいね。